最高裁判所第一小法廷 昭和35(オ)710 判決
主 文
原判決を破棄する。
本件を札幌高等裁判所に差し戻す。
理 由
上告代理人矢吹幸太郎、同高柳隆、同牧野三広の上告理由について。
原判決が、所論三摘示のごとく「成立に争のない乙第一、第二、第三号証、公文
書であるから成立の認められる同第五、第七号証、原審証人Dの供述により成立の
認められる同第八号証」その他所論証人の各供述は措信し難くと判示したこと、竝
びに、かえつて所論一摘示の証拠により同摘示のごとく被上告人主張の特別決議が
あつたことが認められると判断していることは、原判文上明らかである。ところで、
右乙第一、第二、第三号証および乙第八号証は、所論三のいうとおりの報告書又は
陳述書であり、また、乙第五、第七号証は公文書である議事録又は答申書であつて、
これらの書証によれば、いわゆる昭和三一年三月二五日の総会に出席したと称せら
れる組合員中には組合員でない者があり同日の総会における特別決議なるものが存
在しなかつたことが肯認できないことはない。しからば、かような書証を措信し難
いとするには、人をして首肯せしめるに足りる理由を附することを要するものとい
わなければならない。しかるに原判決が何ら理由を附することなく、単に措信し難
しとしたのは、理由不備の違法があるものというべく、その違法は原判決に影響を
及ぼすこと明らかであると認められるから、所論三は結局その理由があつて、原判
決は既にこの点で破棄を免れない。
よつて、爾余の論旨につき判断を省略し、民訴四〇七条一項に従い、裁判官の全
員一致で、主文のとおり判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔
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裁判官 入 江 俊 郎
裁判官 下 飯 坂 潤 夫
裁判官 高 木 常 七
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